今年すすめて良いと思っている石:ベルファスト

この期に及んで「ベルファスト」をすすめる?と思う人もいるかもしれません。

建築材、墓石材、長年にわたり常識的に使われてきた石材です。

この数年間、墓石工場にはあまり流通していなかったと思われたのですが、今年は普通にあります。↑の画像は工場ではなく福建省の原石商社の置き場です。

材質もそこそこ。そして、なぜか単価が手ごろ。これがすすめようと考えた理由です。

弊社の現在の卸売り単価ですと、インドの〇○○よりも5000円/切以上安いです。

先ほどの福建省の原石商社は大手ですので情報はそんなにマニアックではないと思います。気になるという方はお取引先の卸業者様にお問い合わせされてください。

 

「石の目利き」的な実力

一昨日、新石種の実験の話をしましたが・・・・・・・・

僕ら石材卸問屋は、金額・納期・品質以外での価値は、

・石の銘柄当て

・石の経年変化の説明

このあたりは大きな一つの要素ではないかと思います。

クンナム系の石などキズが出る黒の石材は特に「目利き」的な実力がないと石材店さんには相手にされません。また黒系の販売キャリアが浅い状態でありながら知ったような顔をして売るのは危険です。逆にその実力が評価されれば金額が安くなくても受注できる場合がたまにあります。僕もこういったところで仕事をいただけたことが何度もあります。もう20年近く前の話ですが。

自慢ではありませんが、弊社は静岡県全域で墓石の卸売りを営んでおり、東部は北関東や東北に似た文化で「黒・10寸・11寸・ごひら」。中・西部は愛知県より西の文化で「白・8寸・9寸」。といった感じで石を扱うことになり、大げさかもしれませんが日本全国を商圏にしているような石種のラインナップかと思いますし、西と東では競合する卸売業者さんはかなり変わります。

今は営業ばかりやっているわけではないので少し「石の目利き」的な実力はちょっと落ちたかなー。

こんな話、石屋さん以外誰がわかるんだーってところで終わります。自己陶酔。

(´-`).。oO

石産協宛てに中国から祝電が\(◎o◎)/!

一昨日の(一社)日本石材産業協会の定時総会に対し、中国の方から祝電が届いておりました。1枚目はアモイの組合から。

2枚目の祝電は恵安の組合からです。

厦門の組合長さんは「英良」という、建築石材の大会社の社長さんです。水頭という建築工場の密集地にメチャきれいな板材の展示場を持っています。展示場の中にはカフェみたいなところもあります。

恵安の組合長の「有志」という墓石工場の老舗の社長さんです。

防塵設備などあります。福建省の工場の努力( ゚Д゚)

3月のブログにも載せましたが、非常に工場の管理と品質管理を頑張っている会社です。

 

石材の卸の方、もし今度会うときがありましたらお礼を言っておいてください。

劉さん、王さん、ご配慮いただきありがとうございました。

(一社)、(株)、自分個人の存在理由、そして向かう先は・・・・・・・

明日は(一社)日本石材産業協会の定時総会です。

この業界団体の正式な設立は確か2001年11月1日だったと思います。

「自分の店を、会社を、この業界を誇りに思えるように」また「立派な形で後継者に引き継げるように」といった感じの言葉がつづられたチラシがまわっていたような記憶があります。

あれからもうすぐ23年経つということですね。

設立時のメンバーで、尚且つ現在もこの協会で役をやっている人はもうほとんどいないのではないかと思います。川本さんぐらいでしょうか。世代も変わり、だいたいは新しい顔ぶれになっています。

会社も同じですが、どのような価値があってこの協会が存続してきたのか。

石産協の良いところ、良くないところ、あると思います。

会員が減って大変じゃないかと心配する人もいるようですが、この時期に入会する石材店さんもいます。理由はいろいろあるかと思いますが、やはり苦しい墓石市場の中で、今までの視野にはなかった人材、人脈、情報みたいなものを求める人も少なからずではないかと思います。

自分は石産協を見つめ直す前に自分の会社が存続してきた理由や功罪を見直さないとだめなはずですが、なかなか難しい。存在理由、そして向かう先は・・・・・・

「イシフクと付き合ったおかげで繁栄したよ」という人にインタビューしないとわからないな、こりゃ。一人ぐらいいるだろう、きっと。

そういう人が仮にいたとしたら、まずその数少ない人のためにベストを尽くす会社にしないと。

 

 

 

中山石の加工の様子です。

中山石を加工している渡辺石材様の工場です。採石場から運んできた原石が並んでいます。

切削機です。一回切削するたびにキズ(ひび)が出ていないかどうかを確認しながら切っているので時間がかかります。

切削が終わったら磨きです。

磨き面も、加工が終わった後丁寧に見直し、キズが見つかったらもう一度すり落とすなど対応します。

中山石はぼちぼちですがコンスタントに製品を出荷しています。

 

昨年の後半以降、浮金の供給が難しくなっているところがあったので、撮影からブログで公開するまでが遅くなりましたが情報提供させていただきました。

ある程度の説明は必要かもしれませんが、国産材の黒という引き出しはありますので、大切にすすめていただけたらと思います。ありがとうございました。

 

中山石の採石場です。大切に。(^^)/

中山石の採石場です。

国産の墓石で黒というと、浮金石と中山石になります。

上の画像の石は全長2メートル程度の石です。ラフターを搬入しないと運べない石です。このような大きな石も少し残っています。

採石の作業は平成22年(2010年)ごろにやめており、在庫の原石を加工して供給している状況です。ただ、見た目、「5年やそこいらじゃなくなんねえんでねえか」とのことです。

黒だとよくやることですが、キズ(ひび)が入りにくいように土をかぶせて直射日光を当てさせないようにしているそうです。

真壁の人も福建省の人も、クンナムやファインのような黒みかげの原石には直射日光を避けるために藁やビニールシートをかけます。黒い石はデリケートです。望月くんの肌のようです( *´艸`)

昔は福島県の黒といえば・・・・・・

鍋黒・ボタン

の2つの高級銘柄があって、その下のランクに浮金や浜通りの石(植田など)やいろいろあり、浮金を扱う業者さんだけでも20社以上あったようなことを聞いたことがあります。

今、このようになっているのでみんなで大切に使いたいですね。

 

輸入品がなくなっても困らないぞ。全国石材技能士会総会でした。

月曜日は全国石材技能士会の総会が福島県の郡山で開かれました。

全国的に実績のある有名な方が揃っています。この方たちの力で技能グランプリや各地の技能検定が運営されているのですね。

講演は安積国造神社の宮司さん。安積艮斎先生のご子孫です。艮斎先生は吉田松陰など明治維新の時代に活躍した人たちに教えを説いたことで有名な人です。

僕もこの神社は何度もお参りしたことがあります。超まちなかです。会場のホテルから歩いて3分。

懇親会も盛大。活気は大切ですね。

福島商業のチアリーダー部が余興で呼ばれるってすごい。

翌日は江持石の採石場と白河の小峰城を見学するという有意義なツアーもありました。

あらためて全国団体はすごいなと思います。

 

・・・・・・・良いものをつくれば売れるという簡単な時代ではないですが、もし万が一、中国が台湾を攻撃するようなことがあって輸入ができなくなったら、こういった活動が生きるかもしれません。サポートしていきたいですね。

 

浮金石の加工工場です。

浮金石の工場です。画像はGW前のものです。

工場に在庫されていた原石の外寸を計算すると1000才程度ありましたが、この石は切削、磨きをしてみないと売り物になるかどうかがはっきりしない石ですので、時間がかかる石です。

だいたいは切削面までで様子がわかるのですが、磨いたときに細いキズが出てくる時があるんです。僕がイシフクに入社した26年前の時点で、すでに浮金石は磨き製品しか卸売りはしていなかったと思います。そうでなければノークレームでした。

昔でしたら注文よりも1寸ぐらい大きく切削しておき、磨いたときにキズが出てももう一回切ればキズはずせるようにしていたところ、まれに図面よりプラスはいっさいダメ、マイナスも2ミリまでといった依頼が来るのでそこで一気に成材率が下がる。だから、より高く売らないといけなくなる。それはクンナムなど外国材の黒みかげも一緒ですかね。

メーカーさんからは、しばらく浮金石の供給状況はきびしいのでその都度確認の連絡を取ってくださいとのことです。

今はむずかしい状態ですが、また状況も良くなると思いますので、商品のラインナップからははずさず、我慢してお待ちください。

 

南藁科小学校の子供たちが工場見学に来てくれました。(゚д゚)!

地元の南藁科小学校の子供たちが弊社の工場に見学に来てくれました。

上の画像は磨き場の見学の様子です。

石をけずったり磨いたりするのに工業用の人工ダイヤモンドを使っているというと、

「えーーーー、ダイヤモンド???」と驚かれます。ダイヤモンドというワードは子供たちにとって非常に興味を引くようです。

 

こちらは墓石の展示場。

いろんな色の石がつるつるになっており、子供たちは恐る恐る触ったりです。

僕たちの説明で先生方も感心されるところが多々あるようです。

やはり自分たちの当たり前は一般の人から見て当たり前ではないということでしょう。

児童の皆さん、石について興味わいたかなーーーーーーー)^o^(

 

良い石って(つづき)・・・・・・・

先日、おこがましいことに「良い石とは」というテーマでこのブログに書こうと思ったのですが、難しかったので中途半端になりました。

下記の文章は、10年近く前、(一社)日本石材産業協会の輸入卸商部会の部会長を務めていた時に、一般の消費者の方から来た問い合わせに対し答えた文章を少しアレンジしたものです。輸入の石材でしたので僕の方で対応のメッセージをつくったのだと記憶しております。

こちらの方は「河北山崎は短期間で変色する石なのか・中国の工場で修正、着色するのはいかがなものか」といったところがメインの問い合わせだったような気がします。

 

◇輸入された石材の中に、石に着色、染色をすることで粗悪な石材を高価な石に近い色味に変色させるといったような事例が過去10年位の間にあるか。

まず、前提として「粗悪な石」とは何か

〇最低、あってはいけない粗悪な墓石とは

ⅰ大きくひびが入って石が大きく崩れそう、事故の可能性がある墓石

ⅱ石材への薬品などの塗布により、舌でなめたり触ったときに人体の健康に影響がある墓石

このあたりです。

ⅱに関しては業界団体で、数年前に中国から輸入された数枚の石材のサンプルの磨き面について、数種類のもの(硫黄、亜鉛、水銀など)が日本の基準値以上かどうかを調べた結果、問題ありませんでした。

今回のご質問についての「粗悪な石」とは、ここ数十年の間に日本の墓石業者が作ってきた価値観からくるものと解釈いたします。

石の種類にもよりますが、例えば「石の色が薄い」「石の模様がまだら」「玉模様が目立つ」といったことでしょうか。

そういったものを海外から日本へ出荷する前に染色、着色するといったことはあります。

ただその行為や品物が「粗悪」かどうかは上記のとおり、一概に言えることではありません。

あくまでも提供する石材店がしっかり説明し、消費者の方の了承の上であれば悪いとは言い切れないのではないでしょうか。

3.墓石の色が薄くなった(元々黒かったのにグレーになっている)というようなクレームが石材業者に寄せられることはあるか。

短期間での変色の可能性が高い石材を墓石として販売する際、石材店からのしっかりした説明が不足した場合、もしくは消費者の認識、理解が不足していた場合、クレームになる可能性があります。

※河北山崎の墓石の中には短期間の間に激しく変色(色が淡くなる)する墓石もそうでない墓石もあります。

※短期間で変色することが趣があって良いとされている石材:本小松(神奈川県産)、伊達冠(宮城県産)

※すべての石材は変色します。あとは石材店様と消費者の方とのコミュニケーションで価値観が決まると考えていただいたら良いかと思います。

こんな回答でした。

簡略すると、はっきりしているのは下記3点でしょうか。

1、大きく亀裂が入っているなど事故の可能性がある石碑は良くない、要対応

2、危険な薬品が石碑に塗布され、人体の健康に影響がある場合、要対応

3、石材の模様、石材の経年変化、加工工程において修正、着色などを行うことなどを善し悪しに論じるかどうかはケースバイケース

 

これらの3点にあてはまらなければ全部良い石ってことですよね。

吸水率が低い、圧縮強度が高いなどのスペックも石材店さんと施主様との話の流れによって良し悪しに論じられる場合が多々あるでしょう。

できたらスペックよりブランド(会社または人など)で売りたいですね。

・・・・・・・・業界を代表しての答えということになりますので結構時間をかけて回答したのを覚えています。

 

皆様、宜しければ屈託のないご意見、ご指導、宜しくお願いいたします。

が、あまりひどいのはご勘弁くださいね。